ローションでお馴染み!?吸水性ポリマーの原理をまじめに書いておく

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ローションでお馴染みの超吸水性ポリマーの正体は,ポリアクリル酸ナトリウムっていうのは素人でも知っているお話ですね。
ローションが何か分からない方はお父さんに聞いてみてください。デスクの中から最低1本は出てきますから。

この記事で吸水性ポリマーの原理を化学的に説明しておきます。試験の勉強にお役立てください。
(実は,僕の大学院入試問題にも出題されました。まじ。)

目次

吸水性ポリマーの原理

吸水性ポリマーであるポリアクリル酸ナトリウムはどうして吸水性があるのか。
化学を学んでいる方なら,原理が気になるはず!!僕もそうでした。

そんな方に向けて吸水性ポリマーの原理を書いておきます。
わかりやすくて感動。

ポリアクリル酸ナトリウムの構造

原理とかは大体分子の構造を見れば意外にすぐわかるものです。
ポリアクリル酸ナトリウムの分子式はこんな感じ。

ポリアクリル酸ナトリウム分子式

ほら。構造をみるとなんとなく分かってきたんじゃないですか?ちなみに僕は分子構造を見ても,いまいちピンときませんが。

Na+がポイントなのかなとかはなんとなく感じますけどね。

超吸水の原理

では,実際にポリアクリル酸ナトリウムが水を吸収する原理を図とともに説明します。

ポリアクリル酸ナトリウムは網目構造をしています。
水が存在しない時は,Na+イオンが結合した状態でありますが,水を吸収(水と反応)すると,Na+イオンが網目構造の外へと押し出されるために,網目構造内にはCOO-イオンとして存在することになります。このCOO-イオンは負の電荷を持っており,負の電荷同士が反発し合い網目構造が広がっていくため,この網目構造に多くの水分子を蓄える(吸収する)ことができます。

吸水性ポリマー原理

ポリアクリル酸ナトリウムの量のおよそ300倍もの水を吸収できるというのは非常に驚き!

吸水性ポリマーと塩

ポリアクリル酸ナトリウムは網目構造内のNa+が外へ押し出されると水が吸収される仕組みであると説明しました。

では,逆にNa+が内側に押し込まれたらどうなるのでしょうかね。

NaClやKClを,水を吸収したパンパンな状態のポリアクリル酸ナトリウムに添加すると,なんと不思議。ポリアクリル酸ナトリウムは,水が漏れ出し水を吸収したパンパンな状態からしぼんでしまいます。これは吸収の逆の反応となります。まぁ当たり前か。

吸水性ポリマーに塩を添加原理

ようするにカチオン(陽イオン)を与えてやればいいわけですから,とかでもこのような現象が起こります。クエン酸とか酢酸とかなんでもあり。

お父さんにローションを借りて塩やらお酢やらクエン酸を入れてみてください。ローションの粘度が下がり,サラッとしてくると思います。
これは,健全な化学実験ですからね。うまくいったらお母さんにもしっかり自慢しちゃいましょう。

ローションに害はある?

ローションが実は食べられる(おすすめはしないが)というのは意外と有名な話。
原料であるポリアクリル酸ナトリウムは食品添加物にも使われていたりするので知らずのうちにポリアクリル酸ナトリウムを口にしたことは誰しもあるのかもしれない。

そういう面ではローションに害はないのでは?という結果に落ち着きそうではあるが..。
僕が個人的に気になっているのは(あくまで個人の見解です),害というほどではないですが,ポリアクリル酸ナトリウムの吸収性によりローションを体のどこか(たとえば膣)に使った場合は水分が奪われるのではないか?という点です。実際どうなんでしょうね。あんなトロトロして気持ちのいいローションは肌に良さそう,保湿してくれそうなイメージですが化学的な原理で考えると逆に水分を奪ってしまいそう...。

浸透圧とかなんちゃら,そもそも関係ないのかもしれませんがなんとなく気になりました。こんな話はどうでもよくて,ローションの原理,いえポリアクリル酸の原理を大学院入試に向けて覚えておきましょう。

ばいちゃ。

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